僕が結婚式で一番意識している事が「時短」です。

「時短」と聞くと、結婚式にはマイナスのイメージを想像する人もいるんじゃないでしょうか。
適当に、ささっと、雑に・・・みたいな。

でも古いブライダル業界の体質を変えていこうと思うと、頭の切り替えが大切。

タイムスケジュールは、いつの頃からか出来上がった業界独特のルールのようなもので、誰もがそれに沿って動いているので、全ての基本にもなっていて、当たり前の存在。

僕も数年前までは、そんな業界どっぷりの考え方でした。
と、いうよりは、そんなところに疑問すらもたなかったというのが正しいでしょう。

最近は僕のようなフリープランナーも増えてきたので、プランナーそれぞれの考え方、持論でスケジュール組み立てるようになった事もあり、例えば美容着付けは従来の1時間30分のところ、3時間かけてもいいからゆっくりとゆったりとその時間を堪能していただくというようなプランナーもでてきています。

それぞれのプランナーが重視する部分というのがあって、そういう個性的な考え方が一般化・可視化してくると、プロによって結婚式の特色がでてきて、お客様にとってはそれは選ぶ基準のひとつになり、イイ事なんじゃないかと思います。

僕の意見は、披露宴の時間の時短。

どうしたらゲストは楽しく過ごせるのか、終わったあと出席して良かったぁと思えるのか。
それは密度の濃い楽しい時間と、その後の余韻だと思うんです。

時短というのは、時間が短いという事ではありません。
体感的に、「イイ具合の時間」という事です。

これはなかなかに難しいこと。
例えば、披露宴がいい感じに盛り上がり、
「今ここでこのまま新婦のお手紙に入ってその流れでおひらきに向かう事ができれば、皆さんが心地いい時間の中で締めくくる事ができるぞ~!」と思うんですけど、まだデザートがでる時間でもないとか・・・

本来その部分は、進行表作る時に一番考える部分。
美味しいお肉のメインが終わり、コース料理の最後をしめくくるデザートに入る。
そしてその心癒されるデザートをお客様が食べ終わった余韻あるうちに、新婦様のお手紙や謝辞にもっていくというような、料理の内容が持つ空気感と余興の空気感のバランスがとても大事な事なんですね。

そこが崩れると、お客様にとっては悪循環になり、料理が遅いなぁ、余興がいっぱいあるなぁ、まだ終わらないのかなぁ・・・と感じるようになってくる訳です。

このバランスがばっちり合ってくると、ゲストもスタッフも皆が心地よくなる。
結婚式ってそういうものなんですね。

ある意味、生き物のようなものです。

今、僕は、書写山円教寺での結婚式(http://engyoji-wedding.com)がメインです。

円教寺では壽量院という精進料理のお店で披露宴を行っています。
ここはコース料理とは違う、小鉢がどんどん入れ替わるスタイルなので、ゲストの食べるスピードに合わせる事なく、料理が仕上がればどんどん運ばれてきます。

そして、お客様の空気や状況を読みながら、最後のデザートのGOサインを僕と料理長とで確認し、デザートはゲスト全員縁側に移動して食べていただきます。

ここの良いところは、「時間」がコース料理に支配されるのではなく、ゲスト全体の空気をみながらそこに料理を添えていき、そして次のプログラムに進んでいけるというところ。

あくまでもお客様の空気が「時間」を支配してるんです。

この壽量院をプロデュースさせていただいた事で、これまで僕が持っていた披露宴の常識というものが打ち崩されて、僕はとても大きな衝撃を受けました。

ミシュランで星をいただいている精進料理の美味しさに皆さん満足いただき、さらにお客様の一番いい空気のところでそれに合うプログラムを入れていける。

これこそが上述したまさに「イイ具合の時間」。

この素晴らしさを僕は体感しちゃったんですよね。
言い換えれば、正解が見えてしまったとも。

だから円教寺壽量院には、感謝感謝な訳です。

僕は自分が運営する式場を持ってる訳ではないので、本当のところ言うとこういう部分はなかなか難しい課題です。
でもそれぞれの披露宴会場で僕のこの想いが少しでも伝わって達成できればいいなぁと思います。

披露宴は生き物。

固定されたスケジュールではなく、お客様のその時その時の空気によって全てが動いていく・・・
そんな柔軟性のある披露宴をめざしていきたい!

そう思っています。